スイング

市の音楽イベントに出演してきた。曲の合間に2分強ほどのドラムソロをやった。今までで最長のドラムソロだった。
今回は、次の曲の最後で使われるフレーズをリズムで抽出し、それを基本パターンとしつつどんどん崩していくという構成にしてみた。作りこみ自体は悪く無かったと思うけど、いかんせんウデが。演奏終了直後に、録音していたのを聞きなおして、そして凹んだ。
特に痛感したのが、やっぱり自分はまだまだスイングしきれていないなーということだった。半ばアドリブで叩いたフレーズが、後で聴いてみるとことごとく微妙に気持ち悪い。左手の細かい合いの手とか、大きな崩しフィルとか。
判っているのだ。こういうのは、今回のドラムソロをもっと練習していたらどうにかなった問題でもないし、ましてや予め全フレーズを決めていればハマるわけでもない。要は体と心の感覚の問題だ。この1年半くらい、ずっとレガートを練習して、レガートのノリだけならそれなりになった。つまりはそういうことなのだ。当日の精神状態とか、自分の好きな音楽とか、そういうものも現われやすい領域だ。気長に練習と鍛錬を積み重ねるしかない。基礎練習も大事だけど、いかに自分を自分でノせるドラミングをするか、ということも考えたほうがいいかもしれない。
と、こんな拙いドラムソロであっても、同じイベントに出演した別のバンドの人から賛辞をもらったり、会場の皆さんから手拍子をもらったりすると、ああ、頑張った甲斐があったなあと思うのだ。本当に有難いことだ。
秋から年末にかけては、怒涛のコンサートラッシュだ。会場が違えば客層や雰囲気が全然違う。そんななかで楽しんでもらえるドラムというのは、なかなかに難しい。難解でテクニカルなことばっかりやってると誰も理解してくれないというのはもちろんだけど、かといってシンプルすぎると、まあ全体としては悪くないんだろうけど、誰もドラムを気にしてくれない。僕はそれじゃ駄目だ。なんかドラムがカッコよかったなーと思ってくれるようなドラミングがいるのだ。その追求。そのために、今、色んな角度からドラムのサウンドというのを気にしている。どう叩いたら、お客さんにはどのように聴こえるのか、それは叩いている本人がドラムセットの中で聴いているのとかなり違う。そこんところの見極めが難しい。いかに自分の音を演出するか。チューニング、叩く場所、叩き方、握り方、その他もろもろについて感覚を研ぎ澄ましていこう。