ドラム教室。

僕が行ってきたんではなく、何故か成り行きでドラム初心者にドラムの基礎を教えることになってしまいました。家庭教師の生徒(ギタリスト)が新しくバンドを結成したはいいものの新しいギターとドラムが全くの初心者だという話。基礎ができてない人間が基礎を教えられるわけないだろ、と思いつつも他のバンドの練習に混じるというのも面白そうなので二つ返事で承諾。
さて僕の車にギタリストとベーシストを乗せ、スタジオに行くとそれでメンバー全員が勢ぞろい。Vo、Gt×2、Ba、Drの五人。全員15歳。わ、若い。。。特にドラマーが。というかホンマにこれ高校生か?というくらいの童顔。ええい若さパワーで負けてたまるか!と気合を入れてレッスン開始。ドラマーに現在の状態を聞くと「足を入れなかったら8ビートがなんとか叩ける」とのこと。
とにかくそのままじゃどうしようもないのでとりあえずまず楽譜の読み方を教えた後、足を入れた8ビートを叩かせる。なるほど、バラバラだ。さてどこから手を付けよう。まず手がクロスする位置が低い&前過ぎたのでスネアを思い切り叩けず、さらにほとんどリムに当たってしまっていたのでそれを伝える。左手のみで思い切りスネアを叩かせ、少々フォームについて話した後8ビートを刻んでいるときもそのフォームを維持できるようにさせる。次にハイハットの叩き方。スティックのハラでエッジを叩いていたので、チップでハットの中央付近を叩く方法もあることを教える。そしていよいよメインイベントの足。自然にヒールダウンで蹴っている。そっちの方が蹴りやすい気持ちは分かるが、この蹴り方でパワーを出したりタイミングよく蹴ったりするのは結構な鍛錬が必要で、しかもスネの筋肉が相当の耐久力を要求されることを伝える。そしてヒールアップを教える。
さてここまで細かいことを一通り教えたところで、ひたすら90くらいのテンポで8ビートを叩かせてみることにしました。すると案の定すぐに手足が狂ってしまい、本人は顔をしかめながら首をかしげるんです。何度もそれを繰り返しているうちに、段々もどかしそうなイライラした表情に。
それを見ながら僕はついに笑いをこらえきれなくなりました。何がおかしいって別にバカにしてるわけじゃあ全然なくて、まさに一年半前の僕自身と全く同じだったからなのです。「慣れやって、慣れ。」と何度も言い聞かせながら繰り返し繰り返し8ビートの練習を続けました。
その後しばらくはメトロノームを鳴りっぱなしにさせて彼にはそのままの練習を続けさせ、僕は他のメンバーと交流。さすがにベースとギター(教え子の方)は巧い。初心者の方のギタリストもまだ初めて2週間とは思えない。ボーカルも、パワーと音程は文句なし。音楽の話とかをしながらしばらく交流。さて、ここら辺りで僕の体が文句を言い出しました。大体スタジオに入って何も音をださないまま1時間も過ごして僕の精神が正常でいられるわけが無いんですよね。そこで突然メトロノームのテンポを変えて、ドラマーには8ビートを叩かせながらギターとベースが「これなら出来る」という「もう一度キスしたかった」を即興でプレイ。僕?僕は当然ボーカル担当ですよ。まだ拙いドラミングも全く気にならないくらい歌うのに熱中したら少し落ち着いたのでここらでドラム教室を再開することにしました。まだ左手のタイミングが遅れ気味なので、口で伝わるモンじゃないと知りつつ口で教えてみる。
あと、一定のリズムでずっと16分音符を叩き続ける練習もさせて、家とか学校での練習法とかを伝えたらもう時間が迫ってきてしまいました。ところがどっこい、このまま終わるわけが無いのがこの僕であります。ついに我慢できなくなって、ドラマーの了解を取って少しばかりドラミング、と。模範演技とは程遠いような意味不明なバカ連打に狂った後、「Liar! Liar!」を少しギターと合わせて気分爽快夢気分。これであっという間の二時間が終了ということになりました。
いやあ楽しかった楽しかった。最後の方は彼もそれなりに8ビート叩けるようになってたし、なによりもやっぱり、音楽っていいですねええええええええええええええ。気持ちも初心に返り、さあこれからウェルシュも頑張らねば!
それにしても二時間じゃまだまだ教え足りない、、また呼んで欲しいな…