バイオマスが、エネルギーが熱い。

今日の社研のテーマは引き続き日本のFTAについて。なんというか、使っていた本がどんだけ時代遅れの本やねんと言いたくなるくらいに自由貿易の利点として効率化と市場拡大ばっかりうたってる。日本のFTAを考える時にはなんといっても農業製品をどうするかが問題になる。これらの市場開放によって日本の農業製品が国際競争力をつけ市場拡大を促すとばかり主張しているのだ。2002年に書かれた本とは思えないくらいの認識の浅さである。
まさか経済の方の人間はまだこんな考えばっかりなのか、と思っていろいろ環境問題を基にした議論をふっかけてみたが、どうもさすがにそうではなかったようで一安心した。皆結構環境問題に関心を持っていたし、話も聞いてくれた。よかったよかった。
ただ少し思ったのが、文系の人間の方が科学を過信しているフシがあるんじゃないかということ。環境について興味を持ってくれたのは良いけど、今の段階で分かってることしか経済への考慮に入れないという印象がある。例えば近い将来エネルギーの構造が今とは全く違うものになるという話にはあまり乗ってこない。科学的にまだ完全じゃないものにはあまり乗ってこないのだ。逆に、その将来のエネルギー展望については「新しい科学技術が解決してくれるんじゃないか」という極めて楽観的な見方をしている。ふーむ。これはなかなか説得のしがいがありそうだ。
今日はエネルギー関係の企業に就職しているというOBの人が来ていて、研究会のあとの晩飯会でエネルギーやバイオマスについていろいろ話せてたのしかった。やっぱオランダの風力発電は凄いらしい。噂には聞いていたが、そのOBの人は、各農家が風車を買って発電しそれを売っているという風景を見てきたらしい。風力は極めて有望な再生可能なエネルギーなのに、日本では新エネルギーRPS法のせいでその導入枠が定められて普及の速度が急速に鈍っている。もっともっとこのことを色んな人に知ってもらわないと。
ちなみに最近考えているのは、「原子力発電をいかに論理的に排除できるか」「風力発電は本当に安全なのか」の二点。原発に対する批判は、万が一の時の危険の大きさと廃棄物処理の問題が主なもの。これらはヨーロッパのいろんな国で原発反対運動の動きが活発になる助けとなったし、僕がこれを排除したいのも同じ理由だ。しかし、日本人の性格と今の社会構造上、少なくとも今すぐにこれらの批判をもってして反対世論が盛り上がり原発を排除するのは無理なんじゃないかと思う。ましてや日本政府に至っては未だに原発を推進する夢を諦めていない。もっと強烈な説得力が欲しい。
風力発電に関しては、クリーンかつ再生可能ということで世界中でどんどん導入の動きが進んでいる。日本が遅すぎるのはさっきも言ったとおりだけど、少し気になるのが、多少なりとも風を別のエネルギー形態に変換することで、生態系や地球の気候に何らかの悪影響を及ぼさないのだろうかということ。石油や石炭だって、最初はその害については知られていた無かった。出来ればこういうリスクについては積極的に調べておいて欲しいなあ。色々情報を探してるけど、どうも思っている情報が無い。今度先生に聞いてみよう。