中間業者の恐るべき執念。

朝日の社説に輸入音楽CD禁止の話が出てました。問題提起の素材としてはいいと思います。が、禁止志向の方々のパワーを甘く見ている節があります。彼らのやっていることはおそらく自分達の利益が少なくなるのを恐れているとかいう次元ではありません。インターネットを代表とした、情報のグローバル化に対しての最大の抵抗を、それこそ死に物狂いで実行しているのです。クリエーターから消費者へ、という大多数の人間が満足しそうな、それでいて彼らの利益が完全に消失してしまいそうな流通システムが構築されつつあるのを懸命に止めようとしているのです。先日逮捕されたwinnyの開発者は「事実が先行する形で著作権物の流れが変われば、そこに新たなビジネスが参入し新たな流通システムが開発されるはず」という趣旨のことを言っていました。これの善悪判断はともかくとして、彼らが恐れているのはまさにこのことであって、一度この二者がその恩恵を受けてしまえば旧式の流通システムに誰も見向きもしないことを半分予見している。クリエーター―消費者というラインが実現しそうになるとき、きっと彼らにとっての最終戦争が勃発することでしょう。もちろん広告から録音、CDジャケット撮影に税金関係までをクリエーターが自分でやるなんざ出来るわけがないので、おそらくこれに関してはクリエーターがそれぞれの業者に金を払う形になると思いますが。そして既得権益を受けている人々の中でも賢明な人たちはきっとその道をひそかに模索していると思われます。