災害をドラマで完結させるメディア。

新潟の地震に関するメディアの報道。あれは一体なんだ。生き埋めになった男の子が奇跡的に助かったのは実に感動的で喜ばしいし、レスキュー隊の方々の決死の覚悟には心の底から敬意を払うべき。しかしその後もシリウスなどという機械のどうでもいい説明を繰り返し、あとはただひたすら被災地の現状を伝えるのみ。
小泉が被災地を訪問したことを全局が伝えることで何か意義があるのかと問うのは、政府におんぶ抱っこのマスメディアに対しては酷かもしれないが、いずれにせよ今回の地震から何かを学ぼうとする姿勢が無い。この地震が、屋根に雪が大量に堆積した真冬に起こったらどうなっていたか。もっと規模が大きければどうなっていたか。ましてや都市部で起こっていたらどうなっていたかと考えると寒気がする。
今回麻痺してしまったシステムがなぜ正常に作動しなかったかという検証と、そしてどうすれば正常に作動するのかという分析が全くなされていない。地震のメカニズムや救助機器の説明と比べ、これらの分析がいかに大事であるのか考えたことがあるのだろうか。今回の報道が視聴者に持たせる印象は「地震って怖いよね。避難してる人かわいそう。」だけだ。
国境なき記者団は「報道の自由」に関するランキングで日本を先進7ヶ国中最下位に置いたが、これが記者クラブ制度に浸かって腐りきった日本の主要メディアの本質。大きな出来事があるたびにそれは如実に感じることが出来る。