完璧すぎる勝利。

自民300越えてのは凄まじい結果だ。240〜250くらいと踏んでいたけど。
都市浮動票をここまでひきつけた要因はなんだろう?
ケイパビリティの低い都市型保守が小泉的手腕にカタルシスを得るという宮台真司の論のもわかるし、今回の、解散から選挙に至る経緯がメディアで大きく取り上げられ、その「小泉流」のとてつもない宣伝となったが故の結果であると思う。でもでもそれと似ていつつももう一つとんでもなく大きかったのは、「郵政反対派に代表される旧保守に、国民的にNOを突きつけるのだ!」という、大いなる一体感や、達成感への予期があったんじゃなかろうか。「祭り」に似たものがあった気がする。
そんなわけで、解散手法や「刺客」戦法を批判し続けた連中は惨敗(普通に考えても当たり前)し、当初郵政に曖昧だった民主党は蚊帳の外になった。
民主党の広報戦略がヘタクソすぎたてのは、結果論とはいえ文句の無い話だ。上記のような票を、小泉自民党からどう奪うのかという戦略を立て切れなかった。論理で動く人間よりも論理じゃないところで動く人間の方が圧倒的に多いという重大かつ重要な事実を把握しなかったか、あるいはそれを軽視していたか。マニフェストも、個別政策は明らかに自民党より優れていたけど、それらを繋ぐような大きな理念が無かった。いずれにせよ、そういうところを動かさなきゃ政治など出来んだろうに。
ただ、民主党がかなり洗練された戦術で選挙戦を戦ったとしても、正直今回は無理だったんじゃなかろうかとも思うのだ。昨日の丸激で、「民主党は『小泉さん壊してくれてありがとう、これからは民主党が作り直します』で行くべきだ」みたいな話が出てたけど、今回自民党を支持した人たちは、「まだまだ壊し終わってない」と思ってるんじゃないだろうか。じゃなきゃこんな大差の説明がつかないような気がする。もしそうなら、ハナっから民主党には勝ち目は無かったてことになる。「小泉首相の任期中」「郵政対立」という2つのタイミングがもたらした、完璧な勝利だった。
でもちょっと「勝ちすぎ」じゃないの?と思うけど。期待値上げすぎたらあとが怖いからな。特に不安を煽るタイプの手腕だったらバックフラッシュが凄まじそう。
てゆうか、ホントだったら小泉さんが首相辞めたあとの任期切れ選挙で民主党が勝つという予定だったのに、今回の解散選挙のせいで自民党の寿命が少しとはいえ長くなってしまった。全く郵政反対派はいらんことをしてくれたもんだ。