素敵な出会い系。

未知なる音楽の探求に余念がない人たちにとって、心底入れ込むことの出来るアーティストとの出会いというのは何にも変えがたい喜びであることは疑いが無い。それは、「ずっと追いかけていたアーティストが新たに素晴らしい作品を出した」時を上回る感動と衝撃と歓喜を伴う。こういうことを経験したことのある人なら分かるだろうが、程度が甚だしい時に至っては一日中そのアーティストのことが頭から離れずにポケーっとした気分で過ごしてしまうこともしばしばだ。この快感を味わいたいがためにこそ日々音楽を聴いていると言っても良い。そうでないのなら別に既知の好きなアーティストの作品だけをずっと聴いていたらよいのだから。
こういう素敵な出会いは、もちろん探究活動量に比例するのだろうが、経験的には年に2、3回あればいいほど稀少なものだ。かくいう私も昨年は2回そんな出会いがあった。今年はどのような素晴らしいアーティストとの出会いが待ち受けているのだろうか。あの快感を味わうため、今後も引き続き色んなところにアンテナを張って音楽を探して行きたい。
・・・とまあまるで英作問題文のような仰々しい言い回しで書いているのは、ご明察の通り今まさに僕がそんな出会いのお陰で興奮状態にあるからであって、それは一体どこのどいつとの出会いなのかと言えば昨日レビューを書いたCross Cultureってバンドだ。
デビューアルバム「Proof Positive」が思わず平伏して拝謝してしまうような出来なのだ。昨日レビューを書いた段階では星6つにしたんだけど、そのあと聴いて「ん?これは・・・」と思って、そしていつもの如くCDをスタジオに持って行って、店長の居るところにある高価な機材で聴くと「とんでもねえ」とブッ飛んだって訳だ。これがデビュー作?フザけんじゃねえぞマジで、と。 明らかにバカテクなのに全くいやらしくないところなんかはもうなんというか愛しさ余って憎々しい。何を聴いて何を想ってたら、こんなデビュー作品を作れるんだろう。不思議でしょーがない。
というわけですっかりハマってしまった僕は、昨日も紹介したフィルインを何とか新しいバンドの曲に組み込もうと頑張ってたりするのだ。僕のテクを考慮した確実性とのバランスと、当該の曲が8ビート基調なミドルバラードなのとを頭に入れて(Cross Cultureの原曲はモロ16なので)、スタジオで試行錯誤してフィルインを作り変えた。色はそのままに、ノリをいじってしかもちょっと簡単にした感じ。楽しいのなんのって。
それでその後店長とずっとこの話題で盛り上がってたんだけど、やっぱ音楽っていいね。
ところで今日は雨だったので学校に行くのを止めたんだけど、雨に関連して思い出したことが一つ。小学生の頃、底辺と高さが一緒なら常に面積が同じになるっていう三角形の性質を利用した問題を塾で頻繁にやっていた時に、「じゃあ雨が降ってるときに急いで走ってもゆっくり歩いても雨に濡れる量は同じなんか」と思って雨の日にゆっくり歩いてびしょ濡れになったことがあった。我ながらアホや。恥ずかしながらあの時はこの考え方の何処が間違ってたのか分からんかったな。今度教え子に出題してみようかな。