レコーディング一日目。

さあいよいよ人生初のスタジオでのレコーディングです。まずLegendという曲を録って、時間が余ったら次のSeparate Wayを録るという段取りです。
ここでBLAZEのメンバーを紹介しておくと、ギタリストでリーダーのYUMAが僕のかつての教え子。で、ベーシストのYUKIが彼の中学からの友達で、この二人は今年3月僕が参加したライブの時にも一緒に演ったメンバー。二人とも楽器経験は約3年ってトコです。BLAZEはこの二人が結成当初からのメンバーで、他は結構流動的だったんですがどうやらボーカルともう一人のギタリストはほぼ固まった模様。そのボーカルのTSUBASAとギタリストのRYOTAは、いつだったか僕が当時のBLAZEに入る予定だったあるドラマー志望者にドラムを教えに行ったときに面識アリ。どうやらその後色んなメンバーが入れ替わり立ち代りした後、再びこの二人が参入したとのことのようです。で、まだドラムが決まっていないので今回僕に誘いがきた、と。
さて今日の僕はまず9:00に起床し、午前中に軽く雑誌ドラムスを叩いて手順を確認した後、予定通り14:00にスタジオ入り。まず僕が持っていったMIDIデータをスタジオの機械に移す作業から入りました。店長いわくこのお陰で3時間ほど時間が短縮されるとか。移行中の何らかのバグで少しデータがおかしくなっていたんですが、それをチョイチョイと手作業で直しましてストリングスパートの録音完了。
この時点でおよそ15:00。で、ここからいよいよドラム録り。本当ならストリングスパート入力中に俺はずっとドラムの練習してるはずだったのに、修正作業でずっと俺がついていたのでいきなり録音開始。スタジオのドラムセットはなんとなんとSonor!んでシンバル類がKoideで、共に僕がまだ全く叩いたことのないメーカー。まさかこんな所で噂に名高いSonorのドラムセットを叩くことが出来るとは夢にも思わなかったので、気合いが最高潮になり、チューニングもかなり細かいところまでやりました。
えっとライブでもそうなんですがドラムレコーディングはセッティングに物凄く時間かかります。まずスタジオの標準装備状態から自分のセットに組み替え、次に太鼓のヘッドのテンションを調整した後色々とミュートを施し、それぞれのパーツにマイクをセットしてから一つずつの音を出したりしながらマイク音量の調整。実際に録音が始まるまで1時間近くかかりました。
さて録音が始まるととにかく物凄いプレッシャーを感じてしまってなかなかきっちり叩けません。最初はクリックとストリングスパートを聴きながらやっていたのですが、ストリングスは音の立ち上がりが微妙に遅くなっているのでどうも叩きにくく、クリックだけにしてもらいました。
これでリズムが大崩れすることはほぼなくなったんですが、今度は曲の構成をずっと頭に入れながら叩かなくてはならなくなりました。また、前に書いたように、曲をもらったのがわずか一週間前なのにも関わらず今までやったことのないフレーズをふんだんに入れてしまったので、その慣れないフレーズでトチリまくり。特にミスが多かったのが一番のBメロの真ん中のフィルイン。別に難しくはないんですけど、手順がどうも慣れなくて一体何度ミスしたことか。やっぱ気合入れて作ったからにはその通り叩きたくて。でも結局OK出したヤツはちゃんと叩けてなかったりするんですけど。んでもってとにかくこんなにバスドラ使いまくったことは未だかつてなかったので、最後はもう足が動きませんでした。
なんやかんやでようやくレコーディングスタジオを出たのは18:00ちょい前で、足はガクガク。時間かかりすぎ&疲れすぎだ、俺。一通り聴いて音をチェックしドラムのレコーディングは終了。
次に取り掛かったのはベース録りなんですが、ベーシストのYUKI曰く自分の筋力の限界に近い曲なのでそんな何回も弾けないとのことで、あっさり5、6回目くらいにOK。その後も弾いてはいたんですがもう明らかにプレイの質が落ちてきたのでそれ以上やっても無駄だろうと。次のリズムギターはまだまだギター経験の浅いというRYOTAで、ガチガチに緊張していたわりには思っていたよりすんなり終了。
次がいよいよYUMAのギターパート。イントロとサビで使われてるリフ、Aメロ及びエンディングのクリーントーン、Bメロと最後のサビのワウを使ったパート、そして一番と二番の間のつなぎ、間奏のギターソロ、エンディングのハモリのギター、と盛りだくさん。他はそうでもなかったんですがやっぱり間奏でとにかく手間取ってしまったようです。スピードがなかなか追いつかなかった模様。さすがに精神的にも参っていたようです。
YUMAは、本当ならこんなに目立つトコじゃなかったのに、僕のドラムアレンジのせいでこんなにミスが耳に付くようになってしまったと後でイジけてました。実は曲を作ったYUMAが僕に曲のデータを渡した時点では間奏もずっとドラムがドンパンドンパン言ってて、それはそれでまあずっと突っ走る感じが出ていたんですが、間奏前半のドラムを完全に休みにした後派手めのフィルインから4分のバスドラ踏みを絡めた空間のあるタム回しと持っていって、ギターにディレイかけるとすっごくいい感じになるんじゃないかと思ってこういうアレンジにしたんですが。せっかくストリングス使ってるんだから、壮大な効果を狙おうと。色々試行錯誤した結果のアレンジではなく、データもらって曲聴いた瞬間にこれがイイと感じたんですが、今でもこの判断がかなり良かったと思っています。実際他のメンバーも「ここのドラムめっちゃカッコイイ」と言ってくれたし。
この間奏のギターソロにはポイントが三つぐらいあって、それぞれ3回に一回くらいはうまくいっていたんですが全部が揃うことがなかなかなく、結局全体的に一番マシなのを選んでギターの録音も21:00頃終了。
ここでボーカルの出番のはずだったんですが、二日くらい前からずっと喉を痛めているらしく、不安のなかスタジオに入って少し歌った時点で、今日は無理との判断をメンバー全員で下し、後片付けしたあとドラムのバスドラとタムとスネアの音を調節。バスとスネアは色々聴きながら調節して決めたんですが、タムですよタム。ほとんど音を調整していないのになんだこの音の良さは。ドイツの伝統の名メーカーSonorのタムに、畏れ多くもどうやら僕のチューニングがぴったりハマったらしく、店長も「こんなエエ音聴いたことない」と驚き、そして大喜び。ピッチはもちろんのこと、サステイン、アタック音のねっとり感、音の抜け、どれを取ってもパーフェクト。本当に。エンディング前のフィルイン聞いたときに涙出そうになりました。将来買うかもしれないドラムセットはこの時点でSonorに確定。
以上が一日目のレコーディングの大雑把な流れでした。僕としては大満足だったんですが、唯一にして最大の心配はボーカルの明日の調子。以前聴いた時の記憶では声質がかなり特徴がある上声量も音感も全く問題なくしかも顔もかなりイイ、とボーカリストとしての資質は揃っているだけに、本調子でのレコーディングが望まれるところ。でも一日じゃなかなか回復しなさそうだな、というのが正直なところ。
ずっとピカチュウの物真似なんかするから余計に痛めるんだよ!大バカモノ。