第十二日目。


クリア後の隠しダンジョンに赴く。やはり敵が強い上に相当長い。途中、いつぞやのバカ王子の国の現国王の兄の名が刻まれた墓がある。どうやら伏線を踏まえると主人公の生い立ちが見えてきそうだ。さて、最終地にたどり着いたのはいいがドアが開かない。ここで突然主人公の飼っているネズミがドアの方に行き、これを開けて中へ走っていく。コヤツ、やはりただのネズミではないな。
中に入るとそこは竜神族という種族が暮らす村であった。突然案内役を自称する爺が沸いて出てくる。直感的に、こいつきっとさっきまでネズミだったヤツなんだろうな、と悟る。長老の話によると、竜神族は本来人間と龍の姿をとることが出来るが、最近竜神が或る理由で人間の姿を捨てようと決心してその儀式を行ったらしい。竜神族は実は龍の姿のままだと著しい精神力を消費するので、この儀式が成功してしまったがために竜神はずっと龍の姿になり、この精神力をほかの竜神族から得るようなシステムになってしまったらしい。そして今まさにこの村が滅びつつある、と。
案内役の爺の説得もあり、主人公達が竜神の暴走を鎮めることになる。ていうか竜神倒したら儀式の効力が失われてまた元の姿に戻るってのは、由緒正しき竜神族に伝わる儀式としては余りにも弱いと思うのだが、心優しき主人公はそんなことには全く触れずに竜神の元に向かう。
倒す。
竜神は自らの過ちを認め、主人公達に感謝の意を表するとともに、村を救ったのが主人公であることに驚き、運命を感じているようだ。どうも主人公の出生の秘密がここにきてようやく明かされそうな感じ。
数十年前にこの案内役の爺の娘が好奇心で人間界に行った時、あのバカ王子の父の兄と恋に落ち、主人公が誕生したらしい。しかし案内役の爺はこれを知って娘を竜神族の村に引き戻し、二人の仲を裂いた。相手の男はこれを追ってきたが竜神族の村にたどり着く直前に力尽きたということのようだ。げげげげ。ってことはあのバカ王子と主人公は従兄弟ってことすか。イヤだ。やめてください。
爺は自分のかつての行いを悔い、主人公の下にネズミとして現れてその人生を見守っていたらしい。そして、主人公の父が持っていた指輪を主人公に託す。そう、あのバカ王子の儀式の時にとりに行った、トカゲの宝石を使った指輪である。この指輪はあの国の王族の縁者であることの証明になる。
第一回目のエンディングでは、バカ王子と結婚させられそうになる姫を奪い逃げるが、結局二人がどうなったかは描かれなかった。実は大事な話なのに書くのを忘れていたのだが、このバカ王子の国と姫の国では、先代の国王の時代に自分達の孫を結婚させる約束が成立していたのだ。だったら、主人公が王族のものであることが証明されればその約束に反することもなかろう、というまるで誰かが書いたシナリオの如き流れである。
そこでこの指輪を手に入れた上でもう一度クリアを試みる。魔王は哀れにもパワーアップした主人公達の前に雑魚敵と化し、明らかに許容範囲を超えるであろう莫大なダメージをその身に受けて悲惨に散る。
二回目のエンディングでは、結婚式前夜に主人公がバカ王子の父である国王の元を訪れ、指輪を見せて事情を説明する。しかしその場では王様は諦めくれ的な物言い。
ま、ドラクエ的にこれがそのままの流れであるわけがないので、安心しながらエンディングを進める。主人公が結婚式に乱入したシーンで変化が見られる。一回目はその時点で姫は式場から逃走していて、逃げていく姫を主人公達が追いかけ、合流するという流れだったのだが、今回は違う、乱入時、「まもなく新婦が来る」という知らせが入る。おお、やっぱりちゃんとフラグが立ってるではないか。そして喚くバカ王子を見かねて王様が立ち上がりバカ王子に一喝する。めでたくこの結婚式は主人公と姫の結婚式となる。それにしてもバカ王子が兵士達によって脇に追いやられるところや、他の家来達も特に異議を唱えず主人公達の結婚を祝福していた辺り、明らかに王様の事前の根回しがあったものと思われる。しかもたった一晩で。王様も口ではあんなこと言っておいて憎いねえ。
無事主人公達は国に帰り、人々に祝福されて、めでたしめでたし。
裏ダンジョンクリアによってエンディングのメインストーリーが変わるのはドラクエでは初の試みだが、それほど大したもんでもないので特に批評の対象ともならないだろう。全体的にそれほど良いゲームとは言えなかったが、まあ途中であまりダルくなったりしなかった点は評価。ただやはりドラクエで特筆すべきはそのゲームバランスであることは言うまでもない。敵の強さの調整がとにかく抜群。ドラクエらしさを失わずに現代のゲーム機に新作を投入したところは素晴らしい。
というわけで、ドラクエ日記完了。