30 Seconds to Marsアーティスト: 30 Seconds to Mars出版社/メーカー: Immortal発売日: 2002/08/02メディア: CD クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る

インダストリアルぽい、スケールの大きな空間を感じさせるロック。電子音を多用し完全に無機的な世界観を打ち出しつつ、微妙にオルタナぽさも感じさせる。ヴォーカルの声質はクリーンで、ねっとりとした歌い上げ。感情を込めようとしている様子が伺える。
なんだろうこのつまらなさは。大まかな世界観は悪くないと思うが、それを表現するときの引き出しが少なすぎる&安易過ぎる感がある。楽曲全体もそうだが、特にギターパートのアレンジは陳腐かつ一辺倒なのでとにかく何とかしてほしい。テクニックも明らかに足りない。ヴォーカルの声もわざとやってるのかは知らないが表情が少ない。
何よりも、グルーヴに全く面白みがない。グルーヴを醸し出すのは、ある程度離れた音域の音の連なりをそれぞれ違うパートのように感じてしまう人間の耳の性質を巧みに利用した、メロディ・リズム・ダイナミクス・トーンの絶妙な共演である。それがインダストリアル系の特徴だといったらそれまでだけが、特にこの作品にはダイナミクスが乏しすぎるから抑揚が全く感じられない。メロディにしても、もっと高ピッチの音がちりばめられてたらいいと思う。もしそれを意図的に削ってるんだったら完全に好みから外れる。
あと、ドラムの音が聴いてられないくらいヤだ。スネアはフープのサステインを押さえすぎだしバスドラは今流行りのサクサクした音に近い。やめて。
まあファーストアルバムらしいので次作が出た時に機会があれば聴いてみよう。