分散型。

今日は、ロールプレイ的な議論を手が動くままにではありますが書いておきます。大事な話なので。
分刻みの鉄道運行スケジュールは、分刻みで動く人がたくさんいるから。分刻みで動く人がたくさんいるのは、やっぱ都心集中型の都市構造のせい。例えば大阪や東京の都心部は、これ以上無理なくらいの鉄道網が走っていて、ラッシュ時は満員電車が分刻みで運行している。これはもう明らかにパンク状態のような気がする。そしてこの都心部ベッドタウンから出かけるには1本か、せいぜい2本の路線しかない。これも明らかにパンク状態。そしてこれに加えて道路では毎日の交通渋滞。これもパンク状態。要するに都心部の交通網は、もはやこれを利用する人々の数の多さに耐えられる状態じゃない。
もちろんこんなことはずうぅぅぅぅっっっっっっっっっっっっと前から言われていることで、地下鉄網が新たに敷設されて以前よりは混み具合は少しずつ解消されつつある。ベッドタウンから都心へ繋がる路線が多ければ多いほど、今回のような悲劇が起こる確率は減る。ところがどっこい、鉄道事業って、なかなか儲からない。昔と比べて参入障壁はずいぶんと低くなったらしいけど、儲からなけりゃだれも参入しない。しかも、さっき言ったとおり東京や大阪の鉄道網を以ってしてもまだ毎日満員電車のオンパレード。鉄道網整備だけでは混雑解消への寄与にある程度限界があるのは周知の通り。
循環型社会の議論では、必ず分散型の都市構造が理想とされる。風にしろ太陽にしろバイオマスにしろ、再生可能エネルギーによる発電の多くは、その供給路が長ければ長くなるほど効率が悪くなる。逆に、化石資源型の発電では、巨大な発電所をドカンと作ってそこから遠いトコまで供給したほうが相対的に効率が良い。しかも運輸面での省エネの観点から言えば職住近接が望ましく、そのツールとしては自転車かもしくは公共交通機関の特に鉄道が最も環境負荷が小さい(レスターブラウンは、自転車通勤は肥満とストレスの解消に良い、とまで言ってその正当性を強固なものにしようと頑張っている。)。リサイクルに伴うエネルギ消費の効率向上も、分散型社会が実現してこそのもの。
二つの話をつなげると、こうなる。なるべく分散型の社会になれば職場が近くなりそこに移動する人も相対的に少なくなる。人が少なくなれば鉄道網を整備したときにパンク状態ではなくなり、今回の事故のようなリスクも減る。分散型社会では移動に伴うエネルギー消費がかなり節約され、さらに鉄道利用によって移動距離×人数に対するエネルギー消費の効率がグンと良くなる。
そして分散型社会の実現に大きな役割を果たすのがインターネット。直接顔を会わせたりする必要性を出来るだけ減らす役割を果たす。さらに鉄道網整備に欠かせないのが、国による優遇措置。さっき言ったとおり鉄道は正直なかなか儲からないから、その環境負荷の小ささを金銭面で評価するようなシステムが必要。こう考えるとまだまだ公共事業はやるべきことがたくさんある。今の中央集権を加速させるような動きにこそ警鐘を鳴らすべき、となる。まあこの辺は少し幅が広くなりすぎて収集がつかなくなってくるのでやめる。
まるで夢のような素晴らしい話。落とし穴だらけだけど、そこをどう埋めるかが問題。