ヒマラヤ探検隊。

3限目の教基礎の為だけに学校に行く。これで休講とかだったら一日ブルーな気分になるところだったが、やはりこの先生は熱い。きちんと講義があり、しかも定刻どおりに始まる。
先週の僕のコメントへの反論も用意してくれていたようだったが、明らかに少しはぐらされたようだったので、再反論を提出してみた。もはや教育の話題ではなくなっている気もするが、知らん。
夕方からは大阪国際会議場でG3のライブを堪能する。本来はY君と一緒に行く予定だったのだが、彼が日程を勘違いしていていけなくなってしまったので、急遽ネットで同行者を探し出して乗り込む。なんのめぐり合わせか知らないが、その同行者がY君と同い年の、しかもギタリスト。スティーヴ・ヴァイのファンだそうで、始まる前からかなり興奮していた。
今回のギタリストはスティーヴ・ヴァイジョー・サトリアーニとジョン・ペトルーシ。会場入り口の前に今回来日したメンバーの楽器類が展示してあった。僕の関心はやはりドラムセットで、マイク・ポートノイのセットは色んな形のスプラッシュが5枚くらい並んでいて、一目でそれとわかった。かっちょええ。叩きてえ。
1発目はペトルーシで、サポートのドラマーがポートノイ。ペトルーシのプレイは予想通りひたすらメロディを聴かせるタイプで、ここにポートノイによる変幻自在のアプローチが加わる。ポートノイが叩いているところは初めて見たけど、もっとスマートに機械的に叩くのかと思っていたら意外とアグレッシヴ。いかにもポートノイというフレーズをたくさん堪能できたのだが、惜しむらくはやはり彼の音の好みが僕のそれとは結構ズレているというところ。会場のせいもあるのだろうが、バスドラとスネアの音がどうにも気に入らない。スネアの音については前々から知っていたけど、今日はバスドラの音もすごく気になった。
バスの連打を使ったリニアフレーズとかになると、アタック音の不明瞭さがとても不自然だ。相変わらずよーわからん感性の持ち主だな。
2発目はヴァイ。そしてベーシストとしてビリー・シーンがくっついてきている。ギタリストのライブなのに、ビリーシーンにはベースソロが用意されていた。そしてそれだけでもバンド小僧は釘付けになるような組み合わせなのに、そこにトニー・マカパインまでもが参加。なにを晒すんじゃいったい、という感じ。いつもの如く人間の業とは思えぬパフォーマンスを繰り広げるビリーシーンの横で、ヴァイは奇想天外なフレーズを連発しつつも実に説得力のあるプレイを見せてくれた。この人やっぱスゴイ。ドラムがショボかったのがとても残念。音も、ポートノイのよりもっとイマイチ。
3発目はサトリアーニ。うって変わって落ち着きのある曲が多く、サトリアーニは幅のあるカッコイイ弾きっぷりだった。でまあこれまたサポートベーシストのマット・ビソネットがアホみたいに上手いわけで。なんなんですかね、これは。ドラムもかなり上手かったし、なによりもセットの音が一番好みだった。やっぱこうじゃなきゃダメだ。
ていうか、ここまできたらドラマー如きがどのギタリストが一番上手いかなどわかる由もない。プレイスタイルの違いを感じエンジョイするのみ。
最後にギタリスト三人とサポートミュージシャン達が夢の共演を繰り広げる。
じつはこれまではバンドが代わるたびにセットも代わっていたのだが、最後は3つめの、つまりサトリアーニの時のセットのままで演奏が始まった。そしてその共演に最初に出てきたドラマーはポートノイなわけで、僕好みの音の出るセットをポートノイが叩くという夢のような時間が始まったわけだ。
サトリアーニのサポートを努めてくれたカンピテッリには申し訳ないが、同じセットなのにやはり音が全然違う。ここにG3の面々が互いを煽りあうようなギタープレイを披露する。僕にとっての今日一番のシーンだった。もうたまらない止まらない。
夢の共演の第二幕では、ドラムがカンピテッリに代わり、ベースにビリーシーンが加わった。ここまでくるともはや何を聴いていいのかわからない。3人が同時に全く同じ超早弾きフレーズをやりつつビーリーシーンがその2オクターブ下を弾いてたりするわけで。こいつらアホだ。
楽譜にするとまさに「山脈」の様相を呈したであろう今回のライブでの演奏。最後に僕はエベレストの頂上に立ったかのような気分になりましたとさ。