大学は学園祭。僕らはパン祭。

研究室の食いしん坊同士で、「パン祭」を催した。色んなパン屋の商品をそれぞれが持ち寄って、少しずつ味見しようという企画。パン屋の選択基準として「大学から自転車で軽く行ける距離にはない店」という条件をつけた。
僕はたま木亭のパンを持っていくためわざわざ登校途中に京阪宇治線に乗り換えて黄檗駅へ。駅から店までの道のりは、いつもワクワク感で一杯だ。ほどなく着いたたま木亭。平日朝10時過ぎという、パン屋にはあまり客が多そうにない時間帯であるにもかかわらず、満員で店内に入れない。アホか。まあ回転が速いので程なくして入って、2500円分くらいの大量のパンを買った。ここはいつ行ってもすぐに焼きたてが出てくる。当然、店を出てすぐつまみ食い。豆パン。美味い。
他のメンバーが買ってきたのは、Klore、 Walder、こせちゃ、BO-LOGNE。Kloreという店は聞いたことが無かったけど、後輩のお勧め。美味い。具材は素朴だけど生地が美味くて、パンの美味さを堪能できる。もっちり系のパンの触感と香りがなんとも言えない。これは僕のパン屋ランキングでもかなり上位に入る。自分でも行って見たいけど、さすがに遠いなあ。Walderは、食べログで人気だったので僕が先輩に頼んで行ってきてもらった。が、買って来てくれたパンが僕の好みから外れるパンばかりで、うまく店の出す絵を感じることが出来ず。こせちゃは相変わらず見た目が田舎臭くて、なのにパン生地の美味さが強烈で、愛すべきパンだ。田舎っぽい具材との取り合わせが独特の味を演出してくれる。ボローニャのデニッシュ食パンは、味加減が絶妙。ただまあ僕の愛するREBONDIEのデニッシュ食パンには遠く及ばず。
それにしても、やはりたま木亭が頭三つ位抜けて美味い。実は次の日もたま木亭のパンを食べたのだけど、こんなに人を幸せにするパンが他にあろうか。具材とパン生地のバランスが本当に絶妙だ。塩バターパンは本当にシンプルなのに、パン生地のもっちりさと塩加減が完璧で、そして体全体に広がるようなバターの香り。バジルベーコンフランスも、大納言練乳フランスパンも、木の実デニッシュも、バナナブリオッシュ(?)も。いちいち全部具材が美味しいのに、パン生地が死んでない。見た目も、スタイリッシュとは程遠いのだけど無骨な男前な感じで好き。そして食パン。トーストして口に入れた瞬間の、あの小麦の瑞々しい香りは、なんなんだ。これ以上美味いパン屋にめぐり合うことがあるのかなーと思うとちょっと寂しい。
てな感じで大変に楽しい時間を過ごせたのだけど、大の男5人が研究室の片隅で大量のパンを拡げていちいちトーストして食べている姿というのは、なんとも滑稽であった。