ブッシュ二期目は何を目指す。

よく言われるように、ブッシュ再選で四年後アメリカがボロボロになっている時にヒラリークリントンが出てきて政権奪取、リベラルアメリカ復活というのがおそらくリベラル派の人たちの描く道。これとは別の話としてはあり得るのが、レーガンのようにブッシュが二期目になってこれまでの単独行動主義路線を軟化させるという方向。
レーガンは軍拡路線を進む中で同盟国との協調を重視し、武力行使に関しては慎重な姿勢を示した。果たして彼を尊敬するというブッシュが同じ道を歩むのかというお話。ネオコン対テロ戦争は素人目に見ても明らかに異常にヘタを打ちすぎていて、おそらくアメリカ合衆国というシステムの秩序維持としての内部作動回路を回転させるための境界維持的な行為である可能性が高い。
レーガンの場合は核戦争後の人類破滅という戦慄すべき絵が人々に頭の中に容易に描きうる状態となっていたという世界情勢によるところが大きいが、ブッシュ再選の票田はアメリカ世論が完全に二つに分かれた上でブッシュ一期目の行動を支持した人たちや、恐らく怒るとコワイ保守層、とりわけ福音派プロテスタントたちによるものが多数を占めているはず。二期目での路線転換は彼にとって命取りになるのではないかと僕は考えます。しかも、アメリカ流のデモクラシーというのは、別に今になって始まった話ではない。
だから多分ブッシュは多少は軟化するにせよこのまま突っ走る。ブレーキがかかるとしたら他国がもっと強固に反米を打ち出した場合やアメリカ世論が劇的に変わった場合。尤も前者は少なくともこの4年間では有り得ない話。後者はメディアの多様化がその実現を大きく阻む。いずれにせよ自発的路線変更はナシ。
この予想が心から外れてほしいと思うので、まずはその指標となる人事を見てからもう少し考えてみたいと思います。できれば今の僕に反論するような形で。


<2004.11.18 加筆修正>